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憲法 投票価値の平等(論証)
第1 問題提起

本件定数配分によって、~選挙区に居住している者と、~選挙区に居住している者との間で、抽象的に認められている議員の選出能力について格差が生じている(たとえば、東京都の人口は1300万人、鳥取県は60万人であるから、どちらにも2議席配分するとなれば、投票価値の差が20対1もの開きを見せる可能性がある)。これは、居住場所という範疇に基づく区別である。そこで、本件定数配分規定は、各選挙区の有権者に対して抽象的に認められている議員の選出能力の平等(=各投票が選挙の結果に及ぼす影響力の平等ではない!)、すなわち投票価値の平等を侵害し、違憲ではないか。


第2 合憲性の判断

1 保障範囲
そもそも、投票価値の平等が憲法上保障されているか。
(選挙権について規定した憲法15条1項、同3項、44条但書の文言上は、単に選挙人資格における差別禁止が定められているにすぎない。しかし、元来選挙権が、国民の国政への参加の機会を保障する基本的権利であり、議会制民主主義の根幹をなすものとして重要であることにかんがみると、←国会ね。)憲法14条1項に定める法の下の平等は、選挙権に関しても、国民はすべて政治的価値において平等であるべきであるとする徹底した平等化を志向するものであるといえ、選挙権の内容、すなわち各選挙人の投票の価値もまた、憲法の要求するところであると考えられる。よって、憲法14条1項によって保障されていると解する。(最判平成元年12月18日:地方議会議員選挙においても当てはまる。)


2 違憲審査
もっとも、憲法14条1項の「平等」とは、同一事情・同一条件の下では同一に取り扱うという相対的平等を意味し、合理的区別は許容されると解されている。では、どの程度の不均衡があれば、不合理な差別として投票価値の平等が侵害されていると解すべきか。

(1) 投票価値は、選挙制度の仕組みと密接に関連するところ、その選挙制度の仕組みの具体的決定は、国会が、国民の利害や意見が公正かつ効果的に国政の運営に反映されること(や、政治の安定の要請)を目標として、行政区画、交通事情、地理的状況、人口変動、人口密度等の諸般の事情を考慮して行わなければならない(43条2項、47条参照)。
しかし、法の下の平等が具体化された投票価値の平等は、議会制民主主義の根幹をなす選挙権に密接に関連するものであり、重要な「人権」である以上(「人権」は「制度」に優先する)、これに違反しない範囲内で(「公正かつ効果的な代表」という上記目標を実現するために)諸般の事情を考慮するべきである(最高裁のように、考慮要素の一つとは考えない)。もっとも、国会によってこのような事情について技術的・政治的判断が行われるのであるから、司法権がそのような裁量の枠内に逐一立ち入ることは適切でない。
そこで、あくまでも投票価値の差は1対1を理念とすべきであるが、一定の格差は許容されるべきである。もっとも、投票価値に2倍以上の格差が生じると、複数投票を認めることと同じ結果になり、一人一票の原則に反するから、最大でも1対2が限界であって、それを超える格差が生じた場合には、それを正当化する事由の存在を審査する必要があると考える。

(2) ただし、法改正には相応の期間を要することから、かかる定数配分を定める法律を直ちに違憲とすることは妥当でない。そこで、人口の変動の状態を考慮して、是正に必要と思われる合理的期間を経過した場合に限り、違憲と判断すべきであると考える。


(3) 衆議院の特殊性からこの比率を変えることができるか(地域代表的性格を考慮することができるか)。
憲法は、衆議院が国民の意思を忠実に反映する機関であることを予定する一方、参議院は、安定的な政治運営がなされ、衆議院を抑制する機関であることを予定している(解散がない、半数改選など。45条、46条参照)。(そのため、衆議院に参議院よりも広い権限が与えられている(59条2項、60条、61条、67条2項、69条参照)。
しかし、投票価値を平等にして、民意を忠実にかつ平等に反映すべきであることにおいて参議院と衆議院で何ら異なるところはなく、人口比例以外の要素によって衆議院において投票価値の平等を後退させることは許されないというべきである。
したがって、衆議院議員選挙において、投票価値の平等を後退させる「地域代表的性格」を考慮することは許されないと考える。(衆議院よりも参議院において投票価値の平等を重視すべきという見解はない。)

しかし、前述したとおり、投票価値の平等という「人権」は、二院制という憲法上の「制度」に優先する以上、参議院であるということは投票価値の不均衡が許容される限度に格差を設ける理由とはならない。参議院も「全国民の代表」(43条1項)である参議院議員によって構成されている以上、参議院においてのみ地域代表的性格を重視するのは憲法に合致しない(憲法43条は、衆議院や参議院に全国民代表性を認めているのではなく、その構成員たる国会議員一人一人に認めている(全国民の代表である議員によって構成されるからこそ、国会も全国民の代表といわれるにすぎない)。個人に着目しているのである。)。やはり、参議院においても1対1が原則であり、1対2を超える場合にはもはや正当化の余地はないと考える。


(4)当てはめ
(ア) ※1対2をこえないなら違憲審査しない(裁量優先)。
本件では1対○の差が生じている→正当化する特段の事由が認められるか。

ここで、具体的な特段の事情を示す。

例:過疎地域への配慮
人口の少ない県に居住する住民の意思を十分国政に反映させる(都道府県代表的性格を認めること)
(一人別枠制の判決では、「人口の少ない地方における定数の急激な減少への配慮」というのも考慮された)

 ↓
「全国民の代表」を定める憲法43条1項に反しないか。
43条1項の趣旨を選出された後の国会議員の活動について、各々の選出母体からの拘束を受けることを禁ずることと考えるなら、議員定数の配分を都道府県に割り振る基準を規定しているものにすぎない本件制度は、何ら43条1項に違反しないようにも思われる。
しかし、本件制度は『都道府県代表的性格を持たせる(過疎であれば、過疎地域の意見を積極的に取り入れるべき)』という一定の価値判断に基づく割り振りが妥当かということが問題となる。都道府県代表的性格を持たせるべきかという問題は、そもそも議会によって議論されるべき問題である。議論形成の場である議会を、そのような価値判断が実現されるように設計することは、特定の方向に結論を誘導するものである。
「全国民代表」であることを要求している憲法43条は、「全国民代表は地域の利害を代弁すべきではない」との価値判断をも内包していると考えるべきである。

本件制度には、「特段の事情」は認められず、違憲状態が生じている。

(イ) 合理的期間の経過
※参議院の場合には、半数改選(憲法46条)の必要からくる技術的制約がかかる。


(5)結論
憲法14条1項に違反する。
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2011/06/20
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